金継ぎの漆の乾き時

金継ぎをされている方からの質問で「ムロ(木でできた棚)は必要ですか?

と聞かれます。

 

答えは

「金継ぎの場合に限れば特に立派な木でできたムロは必要ないです」

 

そこで、

金継ぎにも使う漆の乾きについてですが

漆は人間と同じで寒いなと思うと乾くスピードが遅くなります。また暖かくなると乾きもよくなります。

 

専門書などには温度管理が必要で「何度をキープしましょう」など書いてありますが、

「寒くなると遅く、暖かいと乾きやすい」それだけ覚えておけば大丈夫です。

 

あと湿度も乾きに関係ありますが、北陸地方や東北など湿度が比較的多いところはあまり気にせず

で大丈夫です。どちらかというと温度を上げてあげるように気を付けます。

 

逆に冬場乾燥する太平洋側などは温度よりも湿度を与えてあげるように気を付けます。

 

ここまでが漆の乾きについての大枠です。

 

私は比較的一年を通じ湿度の高い石川県で作業していますので温度だけ気を付ければいいですが

どの場所でもこの手順を守れば失敗しませんというのをお伝えします。

 

下記の乾かし方は金継ぎ時の漆の乾かし方です。

(漆塗りの作業の場合は漆の流れを保つ「返し」などが入り少し違います)

 

 

 

漆の種類 放置期間 ムロに入れる期間
さび漆 半日 2~3日
中塗り等 約1日~2日 3日以上
消し粉蒔き後  約1日  3日以上

ひとつづつ説明します。

 

さび漆を作るときは水を入れて作ります。さび漆を塗りすぐにムロに入れると表面が先に乾き芯まで乾きにくいです。放置期間半日とは、さび漆の中の水分を蒸発させる期間と思ってください。水分を蒸発させ

湿度のきいたムロに入れてください。

 

中塗り等 さび漆を耐水ペーパーで研いだ後に塗る漆のことです。この工程で使う漆は24時間ほどたち指で触っても指に漆が付かないくらいの乾きの漆を使います。半日くらいで乾く漆は早すぎて使いにくいです。(筆の塗りムラが出やすい。発色が悪い等)ここの注意点は塗ってすぐにムロに入れないことです。

入れるとほとんど失敗します。

 

消し粉蒔き後 粉を蒔く時も中塗りで使った漆で大丈夫です。この工程は塗り厚も薄いので失敗はないです。しっかりムロに入れ漆を乾かすことです。